勃起不全(ED)の原因

持続勃起症

 

じぞくぼっきしょう
priapism

 

陰茎破直症ともいう。性欲とは無関係に陰茎が長時間勃起したままの状態をいう。陰茎海綿体のみの勃起で,亀頭や尿道海綿体は勃起しないから,排尿には支障がない。痛みがあり,快感はまったくない。原因は種々で,白血病,癌の海綿体への転移,脊髄の疾患などが多いが,直接の原因は,海綿体またはその先の静脈内で血液が凝固して,閉塞することである。 priapismの名は,巨大なペニスの持主で生殖の神とされたギリシア神話の Priaposに由来する。

 

 

 

勃起
ぼっき
erection

 

陰茎が生理的に拡大,強直すること。その海綿体の中に血液が充満することにより起る。性的意欲の発動のほか,局所刺激によっても起る。本来は大脳内で性衝動が起り,橋,大脳脚を経て脊髄に伝わり,脊髄下部の勃起中枢を刺激して,仙髄下部の勃起神経と上部の下腹神経叢が勃起反射を起す。陰茎海綿体に出入りする動脈と静脈には特殊な構造がある。平常は,動脈から入る血液の大部分はバイパスを通って静脈に逃げてしまうが,勃起のときはこのバイパスと静脈が閉じて,海綿体が充血する。

 

 

 

勃起
ぼっき
erection

 

陰茎が生理的に拡大,強直すること。その海綿体の中に血液が充満することにより起る。性的意欲の発動のほか,局所刺激によっても起る。本来は大脳内で性衝動が起り,橋,大脳脚を経て脊髄に伝わり,脊髄下部の勃起中枢を刺激して,仙髄下部の勃起神経と上部の下腹神経叢が勃起反射を起す。陰茎海綿体に出入りする動脈と静脈には特殊な構造がある。平常は,動脈から入る血液の大部分はバイパスを通って静脈に逃げてしまうが,勃起のときはこのバイパスと静脈が閉じて,海綿体が充血する。

〔勃起障害(ED)〕

 

どんな病気でしょうか?
■おもな症状と経過

 

 勃起(ぼっき)が弱い、あるいは勃起を維持できないため満足な性交ができない状態を勃起障害(ED)といいます。以前、インポテンスという言葉が使われていましたが、この言葉は本来、勃起だけでなく、性欲、性交、射精、オーガズムなど性交渉にかかわる幅広い要素のどれか一つ以上に問題のある場合を指していました。現在では、こうした場合、インポテンスという言葉を使わず、性機能障害と呼んでいます。

 

 勃起障害は性機能障害のなかの一つという位置付けです。性欲はあるのに勃起に問題がある場合、勃起障害として治療の対象になります。

 

■病気の原因や症状がおこってくるしくみ

 

 勃起は、性的な刺激によって自律神経が作動し、血液が陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)と呼ばれるスポンジのような組織に流れ込むことによっておこります。このときに、なんらかの原因で十分な血液が流れ込まないと勃起がおこりません。

 

 EDの原因には機能性と器質性があります。機能性勃起障害は心因性勃起障害とも呼ばれる精神的なもので、新婚初夜に緊張のあまりEDとなる新婚EDが典型的な例です。

 

 以前、性交渉に失敗したことが気になって勃起がうまくいかなかったり、勃起はできても性交にまで至らなかったりすることもあります。これらの場合、自慰は可能なことが多く、睡眠中に自然におこる夜間勃起なども正常です。

 

 一方、器質性勃起障害には、陰茎に関係する血管に異常のある血管因性のもの、脳神経や末梢神経(まっしょうしんけい)に障害のある神経因性のもの、下垂体(かすいたい)や性腺(せいせん)からのホルモン分泌に異常がある内分泌(ないぶんぴつ)因性のものなどがあります。

 

■病気の特徴

 

 40歳代後半で20パーセント、60歳代以降では半数を超える人がこの病気で悩んでいるといわれています。また、→糖尿病や→高血圧の人はEDになりやすいとされています。

 

 

 

よく行われている治療とケアをEBMでチェック
◆勃起不全治療薬を用いる()

 

 非常に信頼性の高い臨床研究によって、勃起不全治療薬バイアグラの効果が確認されています。ただし、副作用として、頭痛、ほてり、消化不良などがおこることがあります。また男性糖尿病患者の56パーセントで勃起の改善を認めたとの報告もあります。(1)~(3)

 

◆抗うつ薬を用いる()

 

 セロトニン再取り込み阻害薬は憂うつな気分をやわらげるだけでなく、性欲や勃起障害も低下させる働きをもっていることが臨床研究によって確認されています。ただし、イミプラミンなどでは射精が遅れる「副作用」があるため、むしろ早漏の患者さんには有用かもしれません。(4)

 

◆男性ホルモン薬を「皮膚パッチ」または「筋肉内注射」で補う()

 

 男性ホルモン薬の皮膚パッチの有効性が非常に信頼性の高い臨床研究で示されています。それから考えて筋肉内注射も有効と考えられます。(5)

 

◆陰圧式勃起補助具を用いる()

 

 プラスチック製の筒のなかに陰茎を挿入し、ポンプを使って筒内を陰圧にする補助具を使用したとき、67パーセントに勃起がおこったことが臨床研究によって確認されています。また、満足度は80パーセント前後と報告されています。(6)

 

◆血管拡張薬を陰茎海綿体に注射する(陰茎注射療法)()

 

 プロスタグランジンなどの血管拡張薬を用い、約85パーセントの患者さんに効果を認めたとの臨床研究報告があります。ただし研究期間内に脱落する患者さんが多く、正確な評価を行えば、この数字より低い可能性があります。(7)

 

◆プロステーシス挿入手術を行う()

 

 プロステーシス挿入手術とは、陰茎海綿体のなかにプロステーシスというシリコンの棒を手術で入れて、持続的な勃起を可能にする方法です。バイアグラ使用、陰茎注射療法、勃起補助具などで効果がない男性に対して考慮すべき治療法として、専門家の意見や経験から支持されています。

 

◆カウンセリングを受ける()

 

 勃起障害に対して不安を感じている男性には効果があるかもしれません。

 

 

 

よく使われている薬をEBMでチェック
◆勃起不全治療薬

 

・バイアグラ(クエン酸シルデナフィル)(1)~(3)()

 

 クエン酸シルデナフィルは、非常に信頼性の高い臨床研究によって効果が確認されています。

 

◆抗うつ薬

 

・レスリン/デジレル(塩酸トラゾドン)(4)()

 

 おもにセロトニンの神経細胞への再取り込みを阻害する薬で、臨床研究によって効果が確認されています。

 

 

 

総合的に見て現在もっとも確かな治療法
◆バイアグラが第一選択

 

 EDの原因には機能性と器質性があるので、まず原因を明らかにすることが大切です。

 

 実際上は、効果の確実性、安全性、患者さんと医療者双方への負担のいずれを考えても、バイアグラ(クエン酸シルデナフィル)の服用がほとんどのケースでの第一選択薬となります。

 

◆一長一短だが多種の治療法がある

 

 カウンセリングや男性ホルモン薬の皮膚パッチ・筋肉内注射などはバイアグラに比べて効果はやや劣るようですし、陰圧式勃起補助具や血管拡張薬の陰茎海綿体への注射は比較的確実な効果をもたらしますが、患者さんの身体的ダメージ、医療側への負担は大変大きいものがあります。バイアグラの服用や陰茎注射療法、勃起補助具などすべて無効な場合にのみ、プロステーシス挿入手術を考慮するとよいでしょう。

 

◆心臓病の人は服用上の注意を厳守

 

 バイアグラの使用に際しては、→狭心症や→心筋梗塞(こうそく)といった病気のある人は、医師と相談のうえ、服用上の注意を厳格に守る必要があります。
[法研 EBM正しい治療がわかる本]

勃起障害の治療は、まずはバイアグラから

勃起障害(ぼっきしょうがい)(ED)の治療は、バイアグラ(クエン酸シルデナフィル)が開発されたことで、大きく変わりました。

 

 そもそも勃起障害という呼び方自体も新しいものです。それ以前はインポテンスという言葉がよく使われていました。

 

 インポテンスは、性欲、勃起、性交、射精、オーガスムのどれか一つ以上が欠けるか不十分なものを意味していましたが、現在、これらは総合して性機能障害と呼ばれています。EDは性機能障害のなかの一つという位置付けです。

 

 EDは精神的なことが原因となっている機能性のもの、神経の障害による神経因性のもの、陰茎(いんけい)を支配する血管に異常があるもの、ホルモンの分泌(ぶんぴつ)に異常があるものなどに分けられています。これらの原因が複合しているもののほか、糖尿病、高血圧、高脂血症などが関係していることもあります。

 

 バイアグラはとくに精神的なことが原因となってる場合によく効きますが、そのほかに原因がある場合でも効果が認められているので、ED治療の第一選択薬として使われています。

 

 ただし、バイアグラは性欲を亢進(こうしん)させる薬ではありません。あくまで、陰茎海綿体(かいめんたい)に血液の流入を促し、勃起を持続させる働きがあるだけです。

 

 また、狭心症(きょうしんしょう)の治療などで硝酸薬(しょうさんやく)を使用している人は、バイアグラを用いることはできません。この注意を守らなかったために、強い副作用が現れて死亡した例もあります。

 

 現在のところバイアグラは医師の指導のもとに服用しなければなりませんので、処方には医師の処方箋が必要です。なお、バイアグラには健康保険の適応が認められていません。
[法研 EBM正しい治療がわかる本]

スクイーズ法 

 セマンズ法(Semans technique)ともいう。男子不能症の一部である#早漏に有用とされている。#行動療法(特に#ウォルピ,あるいは彼の治療法に準ずる場合,たとえばモーズレイ方式)に取り入れられている。またマスターズとジョンソン(Masters, W. H. & Johnson, V. E.)もこれを紹介している。実際の仕方は配偶者またはこれに準ずる女性パートナーが患者に対して行う他者手淫であって,射精の生じる直前に合図して,その操作を中止させる。適宜休憩を行った後再び試みて,射精時間閾値いきちを高めていくようにする。

 

 

 

 

早漏     【ソウロウ】
premature ejaculation
 性交に際して男子の射精時間の閾値いきちが低く,パートナーの女性が性的快感を生じる余裕を与えないで射精してしまうこと。男子性不能症の勃起不全,遅漏(または射精不全)とともに知られている症状である。なおマスターズ(Masters, W. H.)は射精時間を挿入後1分以内と定義している。合併症状として勃起不全を伴うことが多い。治療としては行動論的に#スクイーズ法(セマンズ法)が用いられて,射精時間閾値の上昇を図る。

 

[株式会社有斐閣 心理学辞典]]

勃起障害(ED)(Erectile Dysfunction)

性交時に有効な勃起が得られないため、満足な性交が行えない状態。
通常性交のチャンスの75%以上で性交が行えない場合を指す。

 

ストレスや不安など心理的要因や精神疾患などによる機能的な原因と、
糖尿病や動脈硬化など、神経や血管障害による器質的な原因によるものがある。

 

全国で患者数は潜在的には800万人ともいわれる。
治療薬には、バイアグラ、レビトラのほかに、長時間有効なシアリスがある。

 

[株式会社自由国民社 現代用語の基礎知識2012]

 

 

 

勃起力(硬さ)と持続力に障害がある状態です。
原因は、心因性のほかに血管性、神経性、内分泌性の勃起障害があり、
さらに薬物、アルコール、たばこなどによる外因性勃起障害もみられます。

 

 心因性のなかで多いのは、「今夜はうまくいくだろうか」という予期不安です。
失敗が繰り返されることで、性交場面になるとこの不安が毎回同じように出現し、
条件反射的に勃起を損なってしまうタイプです。

 

 治療法には、大きく分けて
①心理療法、
②行動療法、
③薬物療法、
④外科的療法があります。

 

 

 

 陰茎(いんけい)内には、多数の細い血管がスポンジ状に配列している海綿体が、
靭帯(じんたい)に似た白い膜におおわれてあります(図10)。

 

通常時は、海綿体に流入する陰茎動脈と流出する陰茎静脈の血流量はバランスがとれています。

 

 

性的興奮により陰茎動脈が拡張し大量の血液が海綿体に流入すると、海綿体は拡張します。
陰茎静脈は陰茎の白膜と海綿体に挟まれて収縮し、海綿体内からの血液が流出するのを妨げます。
この結果、さらに海綿体内に血液が充満して勃起します。

 

 これらの血管のメカニズムが動脈硬化などで損傷を受けるか、
血管を支配する脳脊髄神経や末梢神経が障害を受けると、勃起しなくなります。

 

 

持続勃起症

どんな病気か
 性欲と無関係に痛みを伴う勃起が続く状態です。

 

原因は何か
 陰茎(いんけい)動脈が陰茎の海綿体内に破れて大量の血液が陰茎内に流入する場合と、
陰茎静脈がふさがる場合とがあります。

 

 会陰部(えいんぶ)の外傷、白血病などの血液の病気、糖尿病、
インポテンツの治療として行われている陰茎海綿体内自己注射や、アルコール、麻薬などの常習でも起こります。

 

しかし、原因不明のことが多いのが実際です。

 

 

症状の現れ方
 早朝勃起や性的興奮後の勃起がおさまらない場合や、会陰部を打撲した後にみられます。

 

検査と診断
 陰茎海綿体内の血液の検査を行い、同部の瀉血(しゃけつ)(血液を取り除く)により改善するかどうかを調べます。

 

治療の方法
 陰茎海綿体のなかを生理食塩水で洗浄したり、血管収縮薬を注射したりします。
しかし、改善しなければ陰茎にたまった血液を取り除く手術や、
陰茎に大量の血液が入り込まなくするような手術が必要です。

 

 

病気に気づいたらどうする
 早めに泌尿器科に受診する必要があります。
1日以上たってしまうと、海綿体が変性して将来勃起障害を来すことがあります。

 

[法研 六訂版 家庭医学大全科]

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